電話受付代行についてのご意見
日本語の美しさは、敬語に負うところが大である。
学生時代と違い、年齢も社会的地位も異なる人たちが集まるビジネスの世界で、敬語は欠かすことのできない、人間関係のパスポートといえる。
美しい言葉は、人の心をなごませる。
敬語は、相手の自尊心を満足させる。
正しい敬語で自分に接する人間に対して敵意をもつような人はいないだろう。
だが、正しい敬語の使い方を理解していないと、逆効果になることもある。
敬語で一生懸命相手の機嫌を取り結ぼうとしても、それが的を射ていない場合、結果的におちょくったことになるといったケースもありうる。
何でも「お」や「ご」をつければ敬語になるわけではない。
敬語の種類と用法をしっかり身につけ、正しいビジネス関係を築きたい。
敬語には、尊敬語謙譲語ていねい語の3種類がある。
特に重要なのは、尊敬語と謙譲語を取り違えないことである。
「お」「ご」を用いる形>お(ご)……です(でございます)。
社長がお呼びです。
お気づかいはご無用です。
何をお探しでございますか。
ご旅行でございますか。
お(ご)……なる。
お読みになりましたか。
ご出席になります。
〈注意〉「お……する」は謙譲語なので、相手には使えない。
お(ご)……くださる。
お教えくださってありがとうございます。
ご提出ください。
尊敬の助動詞を用いる形>……れる→きれいな字を書かれる。
先日話された件。
……られる→来られるときはお電話ください。
特別な語に言い換える形>ある――いらっしゃる→山本さんでいらっしゃいますか。
居る――いらっしゃる→午後、会社にいらっしゃいますか。
行く――いらっしゃる→どこへいらっしゃるのですか。
おいで(になる)→腸座談会においでとか。
おこし(になる)→どちらへおこしですか。
来る――いらっしゃる→社長がいらっしゃいました。
おいで(になる)→よくおいでくださいました。
おこし(になる)→常務室へおこしください。
見える→講師の先生が見えました。
言う――おっしゃる→会長のおっしゃるとおりです。
聞く――お耳に入る→お耳に入っているかと思いますが。
見る――ごらん(になる)→この新聞をごらんになれば。
食べる飲む――召しあがる→どうぞコーヒーを召しあがってください。
する――なさる→社長のなさることですから。
くれる――くださる→説明してくださるよう。
身につける――召す→コートをお召しください。
風邪を召さぬよように。
お気に召すと思います。
おっしゃられる(「おっしゃる」が尊敬語なので、さらに尊敬の助動詞をつける必要はない)。
ご卒業されたそうで(「卒業された」または「ご卒業になった」が正しい)。
おめしあがりになられます。
「新幹線にお乗りになって来た」とは言わない。
「……乗っていらっしゃった」と、最後に敬語を置く。
「お喜びになって帰った」では失礼。
「喜んでお帰りになった」が正当。
私のお父さんがおっしゃるには。
→私の父が申しますには。
主人のお母さんが来てくださった。
→主人の母が来てくれました。
「お」「ご」を用いる形>お(ご)……する(いたす)→廊下でお会いした方。
お客様をお連れしました。
お持ちした資料は。
お食事をご用意いたしました。
お(ご)……申す(申しあげる)→近日中にお届け申します。
お待ち申しあげております。
ご案内申しあげます。
「(さ)せていただく」「-あげる」の形>読ませていただきます。
検討させていただきます。
今後ともよろしく願いあげます。
特別な語に言い換える形>行く――まいる→午後3時に御社へまいります。
あがる→お迎えにあがります。
うかがう→来月10日に集金にうかがいます。
来る――まいる→ただいま帰ってまいりました。
弟もまもなくまいると思います。
言う――申す(申しあげる)→私の意見を申します。
大川誠と申します。
お客様に申しあげます。
聞く――承る→確かに承っております。
もれ承れば。
うかがう→ご意見をうかがいたいと思います。
食べる飲む――いただく→先生のお宅で食事をいただいた。
する――いたす→あとの整理は私かいたします。
やる――あげる(さしあげる)→プレゼントをあげる。
本を読んであげる。
お礼をさしあげる。
もらう――いただく→お得意先からお歳暮をいただいた。
弁護士さんに来ていただいた。
「お」「ご」を用いる形>お手紙(をさしあげます)、お電話(でお話ししたとおり)、ご回答(申しあげます)〈注意〉自分の事物であるが相手に対するものなので、「お」「ご」がつく。
ただし、普通あとに謙譲語を置く。
特別な語をつける形(動作にも用いるものがある)>祖図、粗品、粗菓、粗茶、など。
弊図、弊社、弊店、など。
拙図、拙者、拙稿、拙著、拙宅、など。
謙譲語を相手に使うな……最近「お客様がまいりました」とか「ご遠慮なくいただいてください」という誤りが目につく。
どちらも、謙譲語を尊敬語だと思いこんでの誤用である。
また、「お持ちする」は謙譲語、「お持ちになる」は尊敬語であるが、これがしばしば混同されている。
広告によく見る「○○がお求めやすくなりました」「お求めやすいお値段」なども誤り。
これは、「お求めになりやすい」が正しい。
「忘れ物をしないように」も客には失礼。
「お忘れ物のないように」と、物を主語にするほうがよい。
人間関係をスムーズに運ぶためには、日ごろのコミュニケーションが大切である。
コミュニケーションの最も有効な手段はもちろん「言葉」だが、それだけでなく、行為、態度、表情など、人間の動きや感情すべてが重要な役目を果たす。
ビジネス社会は、年齢もキャリアも信条も、趣味嗜好も、すべて異なる雑多な人たちで構成される。
自分の立場や価値観だけを頼りにコミュニケーションを図ろうとすれば、社内の鼻つまみになるのは明らか。
相手を見たコミュニケーションの工夫を。
敬語を適切に……上司は原則的に年長者だから、まず、「敬語」の使い方に注意する。
「尊敬語」「謙譲語」「ていねい語」を適切に使って、全体的に「ていねい」な言いまわしを心がければよい。
年齢より職責が優先……試験制度などを敷いている会社では、上司が自分より年下の場合もありうる。
このときも、年長者に対すると同じく敬語で接する。
けじめを守る……上司に対しては、なれなれしい態度をとらず、一定の間隔を保ちながらキビキビと礼儀正しく接する。
上司が親しみを表わしてくれてもそれに甘えない。
宴席やゴルフなどの私的な交遊にも、上下のけじめをきちんとつけてつきあう。
肩書きで呼ぶ……上司は「部長」「課長」というように、社内では肩書きで呼ぶのが原則。
どんなに親しくても「○○さん」などと呼んではいけない。
わがままな上司には……わがままな上司、権威主義的な上司も多い。
公私にわたり、理不尽な扱いを受けることがあっても、露骨に表情や態度に出してしまうのはマイナス。
“顔で笑って心で泣く”体験も、ビジネスマンとしての成長に欠かせない。
不満や言い分があるとき……仕事上の疑問、不満、言い分かあれば、「課長、近いうちにお暇の折がありましたら、お時間をいただきたいのですが」「課長、今夜あいておられますか」「課長、昼食をごいっしょ願えませんか」などの言葉で、さりげなく誘う。
人目のある職場内での話しあいは、お互いに引くに引けない状態になるおそれもあるので避ける。
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